FX市場 日報ニュース2024.5.7

USD/JPY

アメリカの4月の雇用成長が予想を下回り、去年同期に比べて賃金の上昇幅が3年ぶりに4.0％を下回ったことから、アメリカ経済が最終的にはソフトランディングを実現し、第1四半期の経済成長が大幅に鈍化し、インフレの急激な上昇が景気後退を引き起こすという懸念が和らいだという楽観論が高まりました。これにより、市場はアメリカ連邦準備理事会（FED）が9月に利下げする可能性を見込んでおり、FEDが今年2回利下げすると見られています。これがドルを押し下げる一因となりました。また、日本の日銀は先週、外国為替市場で約9兆円を投入し、2回の介入を行った後、月曜日は日本の祝日で取引が少なかったため、市場は高度に警戒していました。ただし、干渉は日本円に時間を稼ぐためのものであり、米国と日本の金利の差が日本円からの資金流出を引き起こし、より高い収益を得る資産に移動させているため、総合的なマクロ環境は依然として日本円に不利です。このため、日本円は売られ、ドル円は152.80の安値から上昇しました。

その後、アメリカのデータでは4月の雇用トレンド指数が111.25に低下しましたが、アメリカ商品先物取引委員会（CFTC）のデータによると、4月30日までの1週間でスペキュレーターの円空ポジションが減少しましたが、依然として2007年以来の最大規模に近く、ニューヨーク連邦準備銀行の最新の消費者期待調査によると、2月にはアメリカの住宅価格が1年後に5.1％急上昇すると予想され、住宅投資の展望は非常に楽観的です。また、リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は、現在の指標金利水準が景気後退を引き起こす可能性があると述べ、これによりインフレ率が2％の目標に戻る可能性があり、ドル円は154.00の高値に戻りました。本日のドル円は153.70-90の水準がサポートとして期待され、154.60-80の水準が抵抗として予想されます。

EUR/USD

昨日、ANZ銀行と求人サイトIndeedのデータによると、オーストラリアの4月の求人広告が前月比2.8％増加しましたが、市場はオーストラリア準備銀行（RBA）が今週の政策会議で鷹派の立場をとると予想し、OECDはニュージーランドの通貨政策が中央銀行の目標に達するまで制限的であるべきだと述べました。また、Caixinの4月の中国サービス業購買マネージャー指数（PMI）が52.5に低下しましたが、16か月連続で拡大し、新規ビジネスと新規輸出ビジネス指数が共にほぼ1年ぶりの高水準を記録し、これがオーストラリアドルとニュージーランドドルを支援し、ユーロドルを1.0753の安値から堅調に支えました。

S&P Globalの4月の世界経済データによると、フランスとドイツのサービス業PMIはそれぞれ51.3と53.2に上昇し、ユーロ圏の総合PMIは2か月連続で水準を超え、51.7となり、サービス業PMIは昨年5月以来の高水準で53.3となりました。また、Sentixの調査によると、ユーロ圏の5月の投資家信頼指数は2022年2月以来の最高で-3.6に上昇し、ユーロドルを1.0790の高値に押し上げました。しかし、ユーロ圏の3月の生産者物価指数（PPI）は予想を下回る7.8％減少し、ECBのリアム、シムクス、ムイェチチ委員は利下げについてますますの自信を示しており、ユーロの動向を抑制しました。本日のユーロドルは1.0770-90の水準が抵抗として期待され、1.0700付近がサポートとして見込まれます。

GBP/USD

英国労働党が週末にロンドンやイングランド中部の市長選挙で勝利し、今年の全国選挙が行われる前に、首相ジョンソン率いる保守党が大敗したことから、最新の世論調査によると、労働党の支持率が保守党を約20ポイントリードしており、2005年以来初めて下院で過半数を獲得する可能性があります。この政治的不安が英ポンドを1.2535の安値に押し下げました。英国銀行（BOE）の金利決定を待つ市場では、ポンドドルは1.2594の高値まで回復しました。本日のポンドドルは1.2560-80の水準が抵抗として期待され、1.2470-90の水準がサポートとして見込まれます。