FX市場 日報ニュース2024.9.6

USD/JPY

アメリカ連邦準備理事会（FED）が発表した最新の「ベージュブック」によると、7月中旬から8月下旬にかけて、経済活動の拡張速度が鈍化し、企業の採用が減少しています。特に、アメリカの7月の求人件数は3年半ぶりの低水準に落ち込み、市場は9月17日から18日のFEDの金融政策会議での大幅な利下げを予想しています。シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）のFedWatchツールによれば、FEDが50ベーシスポイントの利下げを行う可能性は44%に上昇し、これがドルを圧迫しました。

さらに、日本政府は7月の実質賃金が0.4%増加したと発表しましたが、予想を下回る結果でした。しかし、これは2か月連続の増加です。また、日本銀行（BOJ）の審議委員である高田創氏は、日本経済とインフレ率が同行の予想に沿った場合、BOJはさらなる利上げを継続すべきだと述べています。これにより、市場のアメリカ経済の成長見通しへの懸念が再浮上し、円が避けられる資産として強くなり、ドル円が圧力を受けました。

その後、ADPの雇用報告によると、アメリカの8月の民間雇用は9.9万人の増加にとどまり、2021年1月以来の最小増加幅となりました。7月の増加幅は11.1万人に下方修正されました。これによりドル円は142.83の安値に下落しましたが、アメリカ労働省が発表した当週の新規失業保険申請件数は22.7万人と予想を下回り、継続失業保険申請件数も183.8万人に減少し、失業者数は6月中旬以来の最低水準となりました。これがドルを支えました。

また、アメリカ供給管理協会（ISM）の調査によると、8月の非製造業PMIは51.5に上昇し、標準普及（S&P）グローバルのデータでは、アメリカの8月サービス業PMIの確定値は55.7となり、初期値を上回りました。これにより、FEDの今月の50ベーシスポイントの利下げの緊急性が低下し、ドル円は144.22の高値に上昇しました。今日のドル円の予想レンジは、レジスタンスが143.40-60、サポートが142.00-20です。

EUR/USD

昨日、オーストラリアの7月の季節調整後のデータが発表されました。農産物の輸出増加と石油の輸入減少により、輸入は前月比で0.8%減少しましたが、輸出は前月比で0.7%増加し、貿易黒字は60.09億オーストラリアドルに拡大しました。また、オーストラリア準備銀行（RBA）の総裁であるローウ氏は、インフレが依然として高すぎるため、最近の利下げは時期尚早であり、経済が概ね予想通りに進展すれば、政策委員会は短期的に利下げを行わないだろうと述べました。この発言によりオーストラリアドルが安定し、ユーロドルは1.1073の安値を維持しました。

さらに、イフォ経済研究所（Ifo）は、ドイツ経済が今年停滞し、成長率予測を0.4%に引き下げ、インフレ率も2.2%に低下すると予想しています。しかし、ドイツの7月の工業受注は予想外に前月比で2.9%増加しました。また、S&Pグローバルが発表した8月のHCOB建設業PMIは、ドイツが前値の38.9を下回り、ユーロ圏は41.4で横ばいでしたが、フランスとイタリアはそれぞれ40.1と46.6に上昇しました。さらに、ユーロ圏の7月の小売売上高は前月比で0.1%増加し、前年同期比で0.1%減少しましたが、前月より良い結果となりました。これによりユーロドルは1.1119の高値に上昇しました。今日のユーロドルの予想レンジは、サポートが1.1060-80、レジスタンスが1.1150-70です。

GBP/USD

木曜日にS&Pグローバルの調査が発表されました。イギリスの住宅建設は過去2年で最大の増加を記録しましたが、8月の建設業PMIは53.6に低下し、予想を下回りました。これによりインフレ圧力の緩和の兆候が見られました。また、イギリス銀行（BOE）の調査では、8月の企業の販売価格に対する予測が過去3年で最低水準に低下しました。これによりポンドドルは1.3134の安値に下落しましたが、市場は今月のBOEの利下げの可能性が低いと予想しており、また金曜日に発表されるアメリカの雇用報告に対する注目がドルを圧迫し、ポンドドルは1.3185の高値に上昇しました。今日のポンドドルの予想レンジは、サポートが1.3130-50、レジスタンスが1.3220-40です。