FX市場 日報ニュース2024.3.1

USD/JPY

米国は第四四半期の経済成長率を下方修正したが、消費支出が加速し、2024年の財政年度の支出法案について民主党と共和党の指導者が合意したことでドルが上昇しました。これにより、日本の財務省の官房長、神田真人氏は、当局が為替の動向に強い関心を持ち、外国為替市場が過度に動揺した場合は適切な措置を取る用意があることを警告しました。さらに、日本政府が木曜日に発表した1月のデータによると、工業生産は前月比で7.5％減少し、予想を上回る落ち込みとなりました。調査された15の産業のうち14が生産量を減少させ、自動車の生産減少は日本経済の脆弱性をより懸念させました。しかし、小売り売上高は前年同月比で2.3％増加し、予想値に合致しました。さらに、日本銀行（BOJ）の審議委員である高田創氏は、BOJが超緩和的な金融政策の全面改革を検討する必要があると述べ、それにはイールドカーブコントロール（YCC）およびマイナス金利の撤退、そして物価安定目標が2％を超えるまでBOJが基礎通貨供給を拡大し続けることの調整が含まれると述べました。市場は、超緩和政策の撤退の可能性が高いと解釈し、これが米ドル/円を150.69円の高値から下押ししました。

その後の米国のデータは、先週の初期失業保険申請件数が21.5万人に増加し、2月のシカゴ購買担当者指数（PMI）が44.0に低下したことを示しました。さらに、1月の個人消費支出（PCE）物価指数とコアPCEはそれぞれ前月比で0.3％と0.4％上昇しましたが、前年同期比ではそれぞれ2.4％と2.8％に減速しました。また、全米不動産協会（NAR）によると、米国の1月の既存住宅販売指数は前月に比べて74.3に低下し、連邦準備制度理事会（FED）がまだ利上げを行う可能性があることを示唆し、これが米ドル/円を149.19円の安値に押し下げました。本日の米ドル/円の見通しは150.20-40の抵抗と149.00-20のサポートです。

EUR/USD

昨日、ニュージーランド準備銀行（RBNZ）総裁は公式金利が需要を制約しているとの考えを再確認し、その新たな物価安定に対する信念が市場を驚かせました。また、オーストラリアのデータによると、第四四半期の企業投資が前四半期比で予想を上回る0.8％増加し、1月の小売売上高が前月比で1.1％増加しましたが、12月の小売売上高は予想外に2.1％減少しました。これにより、オーストラリア準備銀行（RBA）とRBNZが利上げを再び行う必要がないという憶測が強まり、これがユーロ/ドルを1.0856ドルの高値から下落させました。

フランスの発表によると、2023年第四四半期の国内総生産（GDP）は0.1％増加し、予想を上回りましたが、ドイツの1月の小売売上高は予想外に0.4％減少し、2月に季節調整された失業者数が1万1,000人増加し、失業率が5.9％に上昇しました。労働市場の不活性が上昇していることは賃金圧力が緩和していることを示唆し、また、ユーロ圏各国の2月の総合的なインフレ率が低下していることは、欧州中央銀行（ECB）が利下げを正当化する理由を提供し、これがユーロ/ドルを1.0794ドルの安値まで押し下げました。本日のユーロ/ドルの見通しは1.0810-30の抵抗と1.0720-40のサポートです。

GBP/USD

木曜日、英国の自動車生産業者および販売業者協会（SMMT）は、1月の自動車生産量が前年同期比で21％増加し、連続した5か月の成長を達成したと発表しました。また、ロイターの調査によると、今年の英国の住宅価格は平均的には横ばいであり、3か月前の予想よりも良いとの見方が広がり、これがポンド/ドルを1.2681ドルの高値に押し上げました。しかし、英国銀行（BOE）が1月の抵押貸付許可が55,227件に増加したことを発表しましたが、抵押貸付発行額が予想外に10.86億ポンド減少し、M4マネーサプライが前月比0.1％減少しました。また、市場の焦点が英国の来週の予算に向かっていることがポンド/ドルを1.2611ドルの安値に押し下げました。本日のポンド/ドルの見通しは1.2620-40の抵抗と1.2530-50のサポートです。