FX市場 日報ニュース2024.3.8

USD/JPY

米国の1月の求人数は減少し、辞職者数は3年ぶりの最低になりました。また、FEDのベージュブックによると、1月初めから2月下旬までの間に米国の経済活動が回復していますが、状況は不透明であり、FED議長のパウエルの証言がやや鳩派的であったため、木曜日にはドルが圧力を受けました。さらに、日本の2月末の外貨準備は1.28兆ドルに減少し、1月のデータによると、実質賃金は前年同期比で0.6％減少し、22か月連続で減少していますが、その減少速度は2022年12月以来の最も遅いものです。一方、名目全体の現金収入は年間で2.0％増加し、6か月ぶりの最大増加となりました。また、日本の中川順子BOJ審議委員は日本の労働市場の人手不足が深刻化しており、より多くの企業が年次昇給を再開していると述べ、BOJ総裁の植田和男も、BOJの物価目標達成の可能性が高まり、BOJがマイナス金利を終了する期待が強まっていると述べました。これにより、円相場が強まり、米ドル/円は149.39の高値で売られました。

日本労働組合総連合会（RENGO）が3月13日に年次賃金交渉を終了すると発表し、今年の平均賃上げ要求額が5.85％に達し、30年ぶりに5％を超えることが見込まれています。これが円高を促進し、また米国が公表した先週の初期失業保険申請件数が予想を上回る21.7万件であったことや、1月の貿易赤字が674億ドルに拡大し、中国との貿易赤字が237.21億ドルに拡大したことなども円高を支えました。また、雇用コンサルティング会社のChallenger, Gray & Christmasによると、2月の解雇件数が11か月ぶりの新高の84,638件となりました。さらに、パウエルFED議長は、利下げの開始に必要な信頼までの距離は遠くないと述べ、これが米ドル/円を147.57の安値まで押し下げました。本日の米ドル/円の抵抗は148.00-20にあり、支持は146.60-80に見込まれます。

EUR/USD

昨日のオーストラリアのデータによると、農産物および金の輸出が自動車の輸入を上回ったため、1月の商品取引黒字が110.27億豪ドルに拡大しました。また、ロイターの調査によると、FEDの今年の利下げ幅はオーストラリア準備銀行（RBA）およびニュージーランド準備銀行（RBNZ）を上回る見込みであり、豪ドルとNZドルは上昇する見通しです。また、中国の2月の輸出と輸入はそれぞれ前年同期比で3.5％と7.1％増加し、貿易黒字は1,251.63億ドルに拡大しました。これが豪ドルとNZドルを刺激し、他のリスク通貨を支持しました。

ドイツが発表した1月の工業受注は前月比11.3％減少し、予想を上回りました。さらに、ドイツ経済研究所（DIW）によると、ドイツ経済の回復速度は予想を下回り、今年第1四半期の国内総生産（GDP）が0.1％減少すると予測されています。これは今週3番目の機関であり、今年の経済成長予測を下方修正したものです。これがユーロ/米ドルを1.0866の安値に押し下げました。欧州中央銀行（ECB）は基準金利を4％に据え置き、今年のインフレ見通しを2.3％、経済成長見通しを0.6％に引き下げました。また、ECBのラガルド総裁は6月に利下げする可能性を初めて示唆しましたが、市場はFEDの緩和的な通貨政策の期待を高め、ユーロ/米ドルを1.0948の高値に押し上げました。本日のユーロ/米ドルの支持は1.0910-30にあり、抵抗は1.1000-20に見込まれます。

GBP/USD

英国の財務大臣ハントは財政の慎重な政策を堅持し、3兆ドルの債務負担への懸念を和らげました。木曜日にはポンド/ドルが1.2720の低水準を維持しました。その後、英国最大の住宅ローン機関であるハリファックスが英国の2月の住宅価格が前年同期比で1.7％上昇し、連続して5か月間上昇したと発表しました。また、英国銀行（BOE）の政策委員会（DMP）の調査によると、企業の来年のインフレ期待は3.3％に下がりましたが、1年後の賃金上昇予測は5.2％を維持しました。これがポンド/ドルを1.2810の高値に押し上げました。本日のポンド/ドルの支持は1.2800-20にあり、抵抗は1.2880-1.2900に見込まれます。