FX市場 日報ニュース2024.7.23

USD/JPY

アメリカ合衆国のバイデン大統領は、民主党内の圧力により、11月の大統領選挙への再出馬を断念し、副大統領のハリス氏に候補者としての地位を譲ると発表しました。これにより、共和党候補のトランプ氏との対決が予想されます。ハリス氏は前議長のペロシ氏や数百人の党内代表から支持を受けましたが、ハリス氏が世論調査の結果を逆転させるかについては市場に疑念が残っています。また、米国連邦準備制度（FED）と日本銀行（BOJ）の今後の行動が注目されています。政治的不確実性が影響し、ドルは下落し、ドル/円は157.61の高値に制限されました。

政府の草案によれば、BOJが金利を引き上げると債務コストが増加する見込みです。日本政府の各部門は、次年度の予算需要が連続して110兆円を超えると予想されています。日本の公的債務は経済規模の2倍に達しており、先進国の中で最も高い水準です。この財政見通しの悪化が懸念されています。しかし、日経新聞によれば、自民党の幹事長である茂木敏充氏は、BOJに対して金利の引き上げを含む貨幣政策の正常化を明確に示すべきだと述べています。円の過度な下落は日本経済に悪影響を及ぼす可能性があるとのことです。また、6月のアメリカ全米活動指数が0.05に低下したことや、今週木曜日のアメリカ第2四半期の国内総生産（GDP）や金曜日の6月個人消費支出（PCE）物価指数に市場が注目していることも影響し、ドル/円は156.27の低値に押し下げられました。今日のドル/円の抵抗レベルは157.00-20、サポートレベルは156.00-20と予想されます。

EUR/USD

アメリカ大統領選挙の不確実性が影響し、昨日のアジア株式市場は下落しました。また、中国からの主要な刺激策が欠如している中で、経済の先行きに対する懸念が高まり、アルミニウム、銅、鉄鉱石の価格が数ヶ月ぶりの低値に落ち込みました。中国人民銀行（PBOC）が7日物逆レポ金利を1.7%に引き下げると同時に、1年物および5年物のローンプライシング金利（LPR）と常備貸出制度（SLF）を10ベーシスポイント引き下げると発表しました。これにより人民元が下落し、オーストラリアドルとニュージーランドドルが引き続き下落しています。オーストラリアとニュージーランドは中国市場に依存しているため、これらの通貨は人民元の代替品と見なされることが多いです。また、欧州中央銀行（ECB）の委員カリミール氏は、状況に応じてさらなる緩和政策が検討される可能性があると述べており、年末までにさらに2回の利下げの可能性があるとしています。これによりユーロ/ドルは1.0902の高値から下落しました。

その後、ドイツ連邦銀行（Bundesbank）は月次報告で、強い労働市場と供給中断のリスクがECBの2%インフレ目標達成を妨げる可能性があると警告し、さらに利下げを慎重に検討するよう呼びかけました。しかし、ECBの先週の政策会議では、9月の利下げに対する強い反対は示されませんでした。また、バイデン大統領の再選出馬辞退決定が投資家に消化され、ユーロ/ドルは1.0871の低値に押し下げられました。今日のユーロ/ドルの抵抗レベルは1.0890-1.0910、サポートレベルは1.0820-40と予想されます。

GBP/USD

先週のイギリスのデータによれば、6月のインフレ率は2.0%で、市場の予想よりもやや高かったため、英中央銀行（BOE）が来月2020年以来初めて利下げを行うという予想が減少しました。また、英ポンドのロングポジションが3週間連続で増加し、歴史的な高値に達しました。これにより、ポンド/ドルは1.2903の低値から上昇しました。市場は水曜日に発表されるS&Pグローバル総合購買担当者指数（PMI）がBOEの金融政策の方向性に関するさらなる手掛かりを提供することを待っています。さらに、イギリスの新首相スターマー氏がヨーロッパとの緊密な関係を望んでいることは、ポンドのEU離脱リスクプレミアムを解消し、ポンド/ドルの反発を助ける可能性があります。ポンド/ドルは1.2942の高値に達しました。今日のポンド/ドルの抵抗レベルは1.2930-50、サポートレベルは1.2840-60と予想されます。