FX市場 日報ニュース2024.7.24

USD/JPY

アメリカのバイデン大統領が再選を断念し、副大統領のハリス氏を民主党の候補者として支持する意向を示しました。これにより、共和党候補のトランプ氏が勝利する可能性に対する疑念が高まり、インフレの再燃に対する懸念が相殺されました。その結果、アメリカの長期国債の利回りとドルが下落しました。さらに、日本のデジタル化担当大臣の河野太郎氏が日本銀行（BOJ）に対して金利引き上げを求めた後、日本の自民党幹事長である茂木敏充氏もBOJに対して明確な金融政策の正常化の決意を示すようにと述べました。この発言により、BOJが円を支えるために金利を引き上げる圧力が高まりました。

日本の内閣官房長官の林芳正氏も、企業の賃金引き上げを拡大する重要性を強調し、政府が持続的な賃金増加を実現するために努力していることを明らかにしました。これにより、円を支えるための一連の措置が取られ、投資家は来週のBOJの金融政策決定に注目しています。BOJは金利を据え置くと予想されますが、今後1〜2年間の国債購入縮減計画の詳細を発表する可能性があります。これが円の上昇を促し、ドル/円は157.10の高値に制限されています。

アメリカ全米不動産協会（NAR）のデータによると、6月の成約済み住宅販売件数は前月比5.4%減少し、季節調整後の年率では2023年12月以来の最低水準となる389万件に落ち込みました。また、シカゴ商業取引所（CME）のFedWatchツールによると、9月にFEDが利下げする確率は96%とされ、ますます多くの経済学者が今年中にFEDが2回利下げすると予測しています。さらに、円全体の回購影響により、各通貨の円に対する動きが重くなり、ドル/円は155.55の低値に押し下げられました。今日のドル/円の抵抗レベルは156.00-20、サポートレベルは154.60-80と予想されます。

EUR/USD

中国が主要な短期および長期金利を予想外に引き下げ、昨年8月以来の広範な利下げを実施しました。これにより経済の回復意欲が示され、銅価格は3ヶ月半ぶりの低水準に落ち込み、鉄鉱石も下落しました。また、円関連の利差取引が市場の変動性の中で解消され、人民元の代替通貨としてしばしば使用されるオーストラリアドルとニュージーランドドルも数週間ぶりの低水準にとどまり、ユーロ/ドルは1.0896の高値から下落しました。

その後、欧州委員会は7月のユーロ圏消費者信頼感指数が前月から改善し、-13.0に上昇したと発表しました。これに対して、欧州中央銀行（ECB）の副総裁デギンドス氏は、9月に利下げする可能性があると示唆し、特にECBの新しい予測がインフレが目標に戻るかどうかを判断する最も重要な要素であると述べました。市場はECBが9月に利下げし、年末までにさらに2回の利下げを行う可能性を約80%と見込んでいます。これがユーロ/ドルを1.0842の低値に押し下げました。今日のユーロ/ドルの抵抗レベルは1.0850-70、サポートレベルは1.0770-90と予想されます。

GBP/USD

イギリス銀行（BOE）は政府債券の売却に伴い、銀行が中央銀行の回購手段をより多く利用する準備をするようにと呼びかけ、現在の6ヶ月間の回購操作を大幅に拡大する計画を発表しました。これにより、金融市場の緊縮を回避することを目指しています。さらに、世界的な地政学リスクが再燃し、リスク通貨が弱含む中で、ポンド/ドルは1.2934の高値に制限されました。市場は木曜日に発表されるアメリカの第2四半期国内総生産（GDP）および金曜日の6月個人消費支出（PCE）物価指数を注視しており、これがFEDの金融政策の方向性に関する手掛かりを提供すると期待されています。これによりドルが堅調に推移し、ポンド/ドルは1.2884の低値に押し下げられました。今日のポンド/ドルの抵抗レベルは1.2930-50、サポートレベルは1.2850-80と予想されます。