FX市場 日報ニュース2024.8.15

USD/JPY

7月の米国生産者物価指数が予想を下回り、サービスコストが1年半ぶりの最大の下落幅を記録しました。また、企業の価格設定能力の減少が示唆され、米連邦準備制度（FED）が9月に利下げする可能性が高まり、ドルは圧力を受けています。一方、Reutersの月次短観調査によると、日本の8月の製造業景気判断指数は10に低下し、今後3ヶ月で5にまで下がると予想されています。また、非製造業景気判断指数は2ヶ月連続で24に低下しました。岸田文雄首相が自民党総裁への再選を目指さないことを発表し、スキャンダルや公衆の不信感に満ちた3年間の任期が終了することとなりましたが、政府は引き続き賃金と投資の増加を促進し、デフレから脱却する必要があると強調しています。また、ニュージーランド中央銀行（RBNZ）が予期せぬ利下げを行ったため、ニュージーランドドルが下落し、その結果、円に対する利差取引が減少し、ドル円は146.07の低点まで下落しました。

その後、米国労働省は7月の民間部門平均実質所得が前月比で0.2%減少し、消費者物価指数（CPI）が予想通り前月比で0.2%上昇したと発表しました。前年比で2.9%の上昇は予想を若干下回り、3%を下回るのは約3年半ぶりです。これにより、FEDの次回利下げの可能性が高まっていますが、7月のインフレ率は2%の目標を上回っており、FEDが50ベーシスポイントの利下げを行う可能性は低いと見られています。また、シカゴ商業取引所（CME）のFedWatch Toolによると、9月の利下げが50ベーシスポイントに達する可能性は36%に減少しており、ドルの支えとなっています。その結果、ドル円は147.58の高点まで上昇しました。今日のドル円の支援レベルは146.90-147.10、抵抗レベルは148.00-20と予想されます。

EUR/USD

昨日、ニュージーランド中央銀行（RBNZ）は2020年3月以来初めてOCRを25ベーシスポイント引き下げて5.25%とし、今後のさらなる利下げの可能性を示唆しました。これにより、2025年末までの積極的な緩和政策に対する期待が高まり、ニュージーランドドルが売られました。また、利率先物はオーストラリア中央銀行（RBA）が11月に利下げする可能性を約58%と示唆しています。さらに、中国の7月の新規貸出が2009年10月以来の低水準に達し、狭義貨幣供給量M1の減少が最大となり、鉄鉱石価格が1ヶ月ぶりの低水準に下落したことで、オーストラリアドルなどのリスク通貨の上昇が制限され、ユーロドルは1.0982の低点に達しました。

Reutersの調査によると、80%以上のエコノミストが欧州中央銀行（ECB）が今年9月と12月に2回の利下げを実施すると予想していますが、その回数は市場の予想より少ないとされています。また、欧州連合（EU）統計局が発表したユーロ圏の6月の工業生産は前月比で0.1%、前年比で3.0%の減少となり、いずれも予想を超えました。さらに、ドイツ経済省の月次報告書では、最新の商品の輸出データが失望を招き、今後の外貿業務の発展が低迷する可能性があるとされています。しかし、ユーロ圏の第二四半期の国内総生産（GDP）の第二次見積もりでは前四半期比で0.3%、前年同期比で0.6%の成長が確認され、ユーロドルは1.1047の高点に上昇しました。今日のユーロドルの支援レベルは1.0990-1.1010、抵抗レベルは1.1070-90と予想されます。

GBP/USD

水曜日、イギリス統計局（ONS）は7月のCPIが前年比2.2%上昇し、予想を下回ったこと、またサービス業のインフレ率が2年以上ぶりの最低水準の5.2%に低下したと発表しました。このため、英中央銀行（BOE）が9月に25ベーシスポイントの利下げを行う可能性が高まるとの見方が強まり、ポンドドルは1.2818の低点に下落しました。また、ONSは6月までの12ヶ月間のイギリスの住宅価格が前月と変わらず2.7%の上昇を記録したと報告しています。BOE総裁のベイリーが来週のジャクソンホール会議での発言が政策の指針を示す可能性があり、ポンドドルは1.2868の高点まで上昇しました。今日のポンドドルの支援レベルは1.2800-20、抵抗レベルは1.2890-1.2910と予想されます。