FX市場 日報ニュース2024.9.11

USD/JPY

8月のアメリカの雇用増加は予想を下回りましたが、失業率は4.2%に低下し、労働市場が計画的に冷却していることを示唆しています。加えて、賃金の増加が強く、消費者支出を支えるとともに、経済は一時的にリセッションを免れる可能性があります。しかし、複数のアメリカ連邦準備理事会（FED）の決定者が来週の政策会議での利下げに備えていると述べているにも関わらず、シカゴ商業取引所（CME）のFedWatchツールは、今月の利下げ50ベーシスポイントの可能性が29%に低下し、25ベーシスポイントの利下げの確率が71%であると示しています。これにより、月曜日にはドルにサポートが提供されました。

また、日本財務省は7月の経常収支が3.19兆円に増加し、予想を上回ったと発表しましたが、日本銀行（BOJ）は8月の銀行貸出残高が前年同月比で3.0%に鈍化したと報告しています。さらに、日本内閣の修正値によると、第二四半期の国内総生産（GDP）年率成長率が2.9%に下方修正され、資本支出の成長率も0.8%に下方修正されました。これにより、企業と家庭の支出が減少し、下半期の消費見通しが暗くなる可能性が高く、BOJのさらなる利上げ計画に影響を及ぼし、円を圧迫しています。その結果、ドル円は141.94の安値から上昇しました。

アメリカ商品先物取引委員会（CFTC）のデータによると、9月3日までの週で円のネットロングポジションが連続して3週間増加しています。一方、日本自民党の党首選挙に参加している候補者たちは、経済成長を促進するための新しい支出策を提案する意向を示しています。新任首相が新たな刺激策を発表する可能性があるため、円売り圧力が高まると予想されます。また、アメリカ商務省の報告によると、7月の卸売在庫は前月比0.2%の増加にとどまり予想を下回った一方で、卸売売上高は前月比1.1%の増加で予想を上回りました。さらに、ニューヨーク連邦準備銀行の報告によると、アメリカの公衆は8月のインフレ圧力の予想に大きな変化がなかったため、ドル円は143.79の高値に達しました。今日のドル円のサポートは142.90-143.10、レジスタンスは144.20-40に設定されています。

EUR/USD

FEDの今月の利下げ幅は不明確ですが、市場はアメリカ経済の減速を懸念し、リスク資産が売られています。昨日のデータによれば、中国の8月の消費者物価指数（CPI）は前年同月比0.6%の上昇で半年間の高値を記録しましたが、製造業者の出荷価格指数（PPI）は前年同月比1.8%の下落で、4ヶ月ぶりの最大の減少を示しました。これにより、オーストラリアの最大輸出商品である鉄鉱石の価格が1年ぶりの低水準にまで下落し、オーストラリアドルやニュージーランドドルにも影響を及ぼしました。これがユーロドルを1.1091の高値で抑制しました。

元欧州中央銀行（ECB）総裁でありイタリアの元首相であるドラギ氏は、欧州連合（EU）がアメリカや中国の経済成長に追いつくためには、より調整された産業政策、迅速な意思決定、大規模な投資が必要であると指摘しました。さらに、調査によれば、経済状況への不満からユーロ圏の9月Sentix投資家信頼感指数が負15.4に低下し、3ヶ月連続で下降、1月以来の低水準に達しました。これにより、ユーロドルは1.1033の低値に押されました。今日のユーロドルのレジスタンスは1.1030-50、サポートは1.0940-60に設定されています。

GBP/USD

月曜日にイギリスのリクルートメントと雇用連合（REC）およびKPMGが共同で発表した月次雇用報告によれば、長期的な職位の募集数は5ヶ月ぶりの最大の減少を記録し、長期的な従業員の給与増加率も5ヶ月ぶりの最低値に落ち込みました。これは2021年初頭以来最も弱いデータの一つであり、イギリス銀行（BOE）が再び利下げを行う可能性を支持しています。これにより、ポンドドルは1.3143の高値から下落しました。

市場が来週のFEDの大幅な利下げの見通しを解除しドルをサポートする中、ポンドドルの下落幅は1.3065の低値まで拡大しました。今日のポンドドルのレジスタンスは1.3070-90、サポートは1.2970-90に設定されています。