FX市場 日報ニュース2024.9.26

USD/JPY

米国連邦準備制度理事会（FED）のボーマン理事は、2022年のピーク以降のインフレの低下を認めています。しかし、インフレを示す重要な指標が2%の目標を上回っていることは懸念材料であり、FEDは利下げを行う際に慎重に行動する必要があるとしています。一方、中国は大幅な利下げと株式市場を活性化する一連の刺激策を発表し、市場のリスク許容度を強化しました。この結果、11月にFEDが大幅な利下げを行うとの期待が高まり、ドルは圧迫されています。水曜日に発表された日本銀行（BOJ）のデータによると、8月の日本のサービス業生産者物価指数（PPI）は、前年同期比で2.7%上昇し、前月と変わらずでした。これは、BOJが賃金上昇によって多くの企業が高い労働コストを価格に転嫁することを促すとの見解を示しています。BOJの植田総裁は、10月のサービスインフレデータを注意深く見守り、再度の利上げの根拠となるかどうかの手がかりを探っています。これにより円は支えられ、ドル円は142.89の安値を記録しました。

日本の10年物国債利回りが7週間ぶりの低水準を記録し、BOJが近日中にさらに利上げを行う可能性が薄れたことが示唆されています。経済協力開発機構（OECD）は、日本経済が今年0.1%縮小すると予測しており、これも円の押し上げ要因となっています。さらに、米国商務省が発表した8月の新築住宅販売件数は前月比で4.7%減少しましたが、季節調整済み年率は71.6万戸と予想を上回っています。住宅ローン金利と住宅価格の低下により需要が刺激され、販売は今後数ヶ月で回復する可能性があります。FEDの利下げサイクルが米国経済の軟着陸を実現するとの投資家の信頼感を高め、米国国債利回りが上昇し、ドル円は144.84の高値を記録しました。今日のドル円は144.10-30で支えられ、145.00-20で抵抗があると予測されています。

EUR/USD

昨日、アジア開発銀行（ADB）は、強い消費とテクノロジー輸出の高い需要がアジアの発展途上国の経済を支え、今年5%の成長を達成する見込みであると予測しました。また、中国はさらなる経済支援策を発表し、大宗商品輸出価格を支えることが期待されています。これによりリスク追求の意欲が強化されています。標準普爾（S&P）は、オーストラリアのAAA/A-1+の格付けと安定的な見通しを確認し、オーストラリアの8月の消費者物価指数（CPI）は前年同期比で2.7%上昇しましたが、これは3年ぶりの最慢のペースです。コアインフレ指標であるCPIの切り詰め平均年率は3.4%に減少しましたが、これはオーストラリア準備銀行（RBA）の2-3%の目標を上回り、利下げの障害となっています。このため、オーストラリアドルは19か月ぶりの高値に上昇し、ニュージーランドドルも年初来の新高値を記録。これがユーロドルを1.1213の高値まで押し上げました。

フランス銀行（BOF）のウィレルヴァデガロ総裁は、5年以内に赤字をEUの制限以下に減少させることは可能であると述べましたが、欧州中央銀行（ECB）の調査報告では、ユーロ圏の賃金圧力が緩和されており、インフレがさらに減速する見込みです。市場はECBが10月に再度利下げを行うと予想しています。OECDはユーロ圏の今年の成長見通しを0.7%と維持していますが、来年は1.3%に減少するとしています。これによりユーロドルは1.1121の安値に押し下げられました。今日のユーロドルは1.1135-55に抵抗があり、1.1050-70に支えがあると予測されています。

GBP/USD

水曜日、イギリス銀行（BOE）の金融政策委員会（MPC）のグリーン委員は、長期的なインフレ圧力のリスクを考慮し、BOEは利下げに慎重であるべきだと述べました。これはBOE総裁のベイリーの最近の発言とも一致しており、大規模な利下げの可能性を否定しています。また、OECDはイギリスの今後2年間の経済成長予測をそれぞれ1.1%および1.2%に大幅に引き上げました。このため、ポンドはドルに対して1.3429の高値に上昇しました。しかし、グリーン委員がイギリスの労働党政府の政策の不確実性が企業の投資や消費者支出を阻害する可能性があると指摘し、市場は来月のイギリス政府の予算とBOEの利率決定に注目を移したため、ポンドはドルに対して1.3309の安値を記録しました。今日のポンドドルは1.3340-60に抵抗があり、1.3240-60に支えがあると予測されています。