FX市場 日報ニュース2023.12.29

USD/JPY

夜間におけるアメリカ10年債の収益率が上昇し、ドルを支えていますが、シカゴ商業取引所（CME）のFedWatchツールによると、市場は2024年3月にアメリカ連邦準備制度理事会（FED）が利上げを開始する可能性が91％まで上昇しています。先物の動向は、来年のFEDの利下げ幅が150ベーシスポイントを超える可能性を示唆しており、これがドルを制約しています。また、日本の経済産業省の木曜日のデータによれば、自動車の生産減少と半導体電子機器の需要低迷により、11月の工業生産は前月比0.9％減少し、輸出に依存する日本の経済の展望に陰りが見えています。しかし、同じく11月の小売売上高は前年同月比5.3％増加し、予想を上回り、2022年3月以来21か月連続で増加しています。データの改善が日本銀行（BOJ）が超緩和政策を終了する可能性を高めており、さらにBOJが債券の購入回数を削減しているため、最長期間の債券利回りが上昇し、円高を促進し、ドル円が141.82の高値で売り圧がかかっています。

アメリカ労働省が先週の初めに失業手当の申請件数が21.8万人に増加したことと、住宅融資会社フレディ・マック（Freddie Mac）のデータによれば、今週のアメリカの30年固定住宅ローンの平均利率が9週連続で下落し、5月以来の最低水準である6.61％に達したにもかかわらず、全米不動産協会（NAR）によれば、11月のアメリカの既存住宅の売却待ち指数は71.6で前月と横ばいで、2001年以来の最低水準を維持しています。これがドル円を140.24の安値に押し下げましたが、年末のショートカバリングが進み、ドルの反発を助けています。本日のドル円の予測は、141.40-60での抵抗と140.20-40でのサポートです。

EUR/USD

市場は来年、急速に利下げする可能性があり、これが債券利回りを6月以来の最低水準に押し下げています。また、主要な航送会社によると、紅海航路への復帰が始まり、輸送の中断への懸念が緩和され、投資家のリスクを軽減しています。これにより、昨日は豪ドルとNZドルが5か月ぶりの高値に達し、さらに、Bloombergの報道によれば、欧州中央銀行（ECB）の委員であるホルツマン氏は、ECBが歴史的な10回の連続利上げを終了したとしても、現時点では利下げの議論は早すぎると述べ、2024年の利下げは未定であると述べています。これにより、来年の利下げが予想されている米連邦準備制度理事会（FED）とは対照的に、ユーロは米ドルに対して1.1139まで上昇しましたが、1.1150前に多くの売り注文があるとの噂があり、ユーロは制約されています。

市場はまだ欧州の経済状況が不安定であると見なしており、ECBの将来の利上げ方針に注目しています。明年3月のECB会議での利下げの可能性は約70％で、利下げ幅は165ベーシスポイントを超える可能性があります。また、ドイツの2年物国債利回りは3月の銀行危機以来の最低水準に達しており、年末の取引が薄い中で、収益のリバーサルセールスプレッシャーがユーロ対米ドルの為替レートを1.1053まで押し下げました。本日のユーロ対米ドルの抵抗は1.1070-90、サポートは1.0980-1.1000と予想されています。

GBP/USD

2024年にFEDが利下げする可能性に対するトレーダーの賭けが増加したため、米ドルは全面的に下落しました。さらに、英国中央銀行（BOE）はFEDよりもインフレに対する警戒心を強めており、英国の利率はより長い期間高水準を維持する可能性があります。これにより、木曜日にはポンドがドルに対して5か月ぶりの高値1.2827に上昇しました。英国のインフレも緩やかになっており、市場はBOEが利下げする可能性に賭けています。これが英国の指標10年期国債利回りを4月6日以来の最低水準に押し下げ、ポンドをドルに対して1.2709まで下落させました。予測では、今日のポンド/ドルの抵抗は1.2740-60、サポートは1.2640-60にあります。