FX市場 日報ニュース2024.6.17

USD/JPY

アメリカ財務省長官ユーレンは、労働市場が強固で、民間企業の投資収益率が高く、通貨のインフレ率が低下していることから、経済の見通しが明るいと述べ、ドルを支持する要因となりました。さらに先週金曜日には、ロイターが行った調査によると、日本の5月の全国コア消費者物価指数が2.6%に上昇する見通しであり、日本銀行（BOJ）が今後数ヶ月でさらに利上げする可能性があります。しかし、日本の4月の季節調整済み工業生産は前月比で0.9%減少し、設備利用率は0.3%増加しましたが、前年同月比では悪化しています。BOJは政策会議で金利目標を0-0.1%で維持する決定をしましたが、市場の予想を上回る速度で政府債券の購入を継続し、7月の会議で公債購入を削減する具体的な計画を提示することを決定し、円安を打ち消し、ドル円を158.25円の高値に押し上げました。

BOJの総裁、植田和男は円安がインフレに与える影響を懸念しており、経済データに基づき7月に利上げする可能性があると述べました。さらに日本内閣官房長官、林芳正は、外国為替市場に対する政府の注意を再確認し、これが結果としてドル円を156.87円まで引き下げました。その後、アメリカは5月の輸出と輸入価格がそれぞれ前月比で0.6%と0.4%減少し、予想を下回りました。輸入価格は去年12月以来の初の下落となりました。また、ミシガン大学の調査によると、アメリカの6月の消費者信頼指数の初値が65.6と悪化しましたが、1年後のインフレ期待は3.3%を維持し、5年後のインフレ期待は3.1%に上昇し、ドルの回復を支援しました。本日のドル円の見通しは、サポートは156.65円から85円、レジスタンスは157.60円から80円と予想されています。

EUR/USD

先週金曜日、ニュージーランドのデータによると、5月の製造業購買担当者指数（PMI）が持続的に47.2に低下しました。また、ロイターの調査によると、多くのアナリストはオーストラリア準備銀行（RBA）が今週火曜日の会議で5回連続で金利を据え置くと予想していますが、第4四半期に初めて利下げする見通しです。さらに、最近、フランスの格付け機関であるスタンダード・アンド・プアーズ（S&P）・グローバルが発表した報告によると、極右政党が主張する政策がフランスの格付けに影響を与える可能性があり、これがユーロドルを1.0744ドルの高値で抑制しました。

ドイツの経済研究所（DIW）によると、民間消費の増加がドイツ経済の主要な回復要因となっており、2024年のドイツ国内総生産（GDP）予測が前回の停滞から0.3%に引き上げられました。しかし、フランスの5月の消費者物価指数（HICP）の最終値は、前月比で0.1%上昇し、前年同期比で2.6%上昇しましたが、予想を下回っています。また、欧州連合統計局によると、4月の季節調整されていないユーロ圏の貿易黒字は予想を下回る150億ユーロとなりました。さらに、欧州中央銀行（ECB）の最高経済責任者であるリアンは、ECBの利率パスについての公表を否定しましたが、ECBの理事であるカサクスは市場の予想通りに利率を引き下げることを支持しており、ECB総裁のラガルドはインフレ目標達成を推進すると再確認し、ユーロドルを1.0666ドルの低値まで押し下げました。本日のユーロドルの見通しは、サポートは1.0620-40ドル、レジスタンスは1.0700-20ドルと予想されています。

GBP/USD

市場は英国の中央銀行（BOE）が6月の会議で政策を据え置くと予想しており、選挙前に利下げの期待が消えました。しかし、先週金曜日にBOJが鳩派の姿勢を維持したため、ドル円が円安に対する優位性を示し、ポンド円が1.2763ドルの高値から下落しました。BOEの調査によると、英国民の1年後のインフレ期待は2.8%に低下し、5年後の期待は3.1%を維持しています。また、42%の人々が経済にとって利下げが最も有利だと考え、これは2008年11月以来の最高水準です。さらに、英国の保守党は労働党との差を縮めることができず、政治的な不安がリスクを感じやすいポンドに圧力をかけました。これによりポンドドルは1.2654ドルの低値まで下落しました。本日のポンドドルの見通しは、サポートは1.2600-20ドル、レジスタンスは1.2690-1.2710ドルと予想されています。