FXのナンピンマーチンEAは、価格が予想に反して動いた場合に、ポジションを追加し、平均取引価格を改善することを目的とします。
EA(Expert Advisor)を使えば、この戦略を自動で行うことができます。FX初心者の方でも簡単にトレード戦略を開始できるのが魅力です。
この記事では、FXのナンピンマーチンEAの特徴やメリット・デメリット、選び方や使い方のコツについて解説します。FX取引を始めようと思っている方はぜひ参考にしてください。
上級者向けの戦略です。初心者が扱うには難しすぎるといえ、高確率で証拠金の多くを失ってしまう可能性があります。そのリスクを知らずに、このEAに手を出すのは厳禁です。
ナンピンマーチンとは?
ナンピンマーチンは、投資やトレードの戦略の一つで、特に外国為替市場(FX)で使用されることがあります。この戦略は、損失を取り戻すために取引サイズを増やすことに焦点を当てていますが、リスクを制御する必要があります。ナンピンマーチン戦略は、ナンピン(averaging down)とマーチンゲール(Martingale)という2つの要素を組み合わせたものです。
ナンピン(Averaging Down): ナンピンは、価格が予測に反して逆行する場合に、新たな取引を追加して平均取引価格を下げる手法です。例を挙げて説明しましょう:
- あなたがEUR/USD通貨ペアで1ロット(100,000ユーロ)を1.20の価格で買ったとします。
- しかし、市場が予想通りに動かず、価格は1.19に下がりました。
- ナンピン戦略では、このポジションに対してさらに1ロットを1.19で買い増しすることが考えられます。
- ナンピン戦略では、このポジションに対してさらに1ロットを1.19で買い増しすることが考えられます。
- この結果、2つの取引があり、平均取引価格は(1.20 + 1.19)/ 2 = 1.195となります。
- 価格が再び上昇し、利益を出すことができるかもしれません。
マーチンゲール(Martingale): マーチンゲールは、損失を取り戻すために、前回の損失額をカバーするために取引サイズを倍増させる戦略です。例を挙げて説明しましょう:
- 初めに1ロットでEUR/USDを1.20の価格で買いましたが、価格が1.19に下がり、1,000ドルの損失が出ました。
- マーチンゲール戦略では、次に2ロットを1.19の価格で買い増しします。
- もし価格が再び上昇して1.195に戻れば、1ロット目は1000ドルの利益を生み出し、2ロット目は損失を補うことに成功します。
ただし、ナンピンマーチン戦略には重要なリスクが伴います。市場は予測不可能であり、損失が一層拡大する可能性があるため、慎重に利用する必要があります。リスク管理は不可欠で、十分な資金、ポジションサイズの制限、ストップロス注文の使用などが必要です。
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ナンピンマーチンEAのメリット・デメリット
ナンピンマーチンEAのメリットとデメリットについて説明します。
ナンピンマーチンEAのメリット
- 毎日勝てる: 大きなドローダウン以外は基本的に毎日+収支を描きます。月利50%~の収益も期待できます。
- 損失の回復: 最初のトレードで損失が発生した場合に、新しいポジションを追加し、平均取引価格を改善することができます。これにより、損失を回復しやすくなります。
- EAが代わりに売買するので手間がかからない: EAを使用すると、プログラムが取引を自動化し、トレーダーは取引を手動で行う必要がありません。これにより、取引にかかる手間を削減できます。
ナンピンマーチンEAのデメリット
- リスクの増加: ナンピン手法を用いるEAが一般的なため、一方的な相場の場合に含み損を抱えるリスクがある。
- マーケットの変動: マーケットが急激に変動すると、ナンピンマーチンEAがポジションを大きく増やすことがあり、資金を過度に使用する可能性があります。
- 最適な設定の難しさ: ナンピンマーチンEAの効果的な設定を見つけることは難しいことがあり、トレーダーは十分なバックテストと調整が必要です。
メリット | デメリット |
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毎日勝てる 損失の回復 EAが代わりに売買するので手間がかからない | リスクの増加 マーケットの変動 最適な設定の難しさ |
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取引手法別EA総評価
EAタイプ総評価評価
EAの種類 | リスク | リターン | 初心者おすすめ度 | 取引回数 | スワップ | スプレッド | 安定性 |
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スキャルピングEA | |||||||
グリッドEA | |||||||
ナンピンマーチンEA | |||||||
デイトレードEA | |||||||
スイングEA | |||||||
ヘッジEA |
評価項目の詳細:
- リスク: 取引戦略のリスク。高いリスクは×、低いリスクは◎。
- リターン: 取引戦略の潜在的なリターン。高いリターンは○、低いリターンは△。
- 初心者おすすめ度: 初心者トレーダーに向いているかどうか。向いている場合は◎、向いていない場合は×。
- 取引回数: 取引頻度。高い頻度は◎、低い頻度は△。
- スワップ: スワップポイントの影響。高い影響は△、低い影響は○。
- スプレッド: スプレッドの影響。高い影響は△、低い影響は○。
- 安定性: 取引戦略の安定性。安定している場合は○。
これらの評価項目を考慮して、特定のトレード戦略に最適なEAを選択することが重要です。初心者の方は特に、リスク管理とデモトレードを通じてEAを評価することをお勧めします。
取引手法の詳細な解説
スキャルピングEA
- リスク: スキャルピングは非常に高い取引頻度で短期的な値動きを捉えるため、市場の変動に敏感であり、リスクが高い。また、スプレッドや手数料が利益を圧迫する可能性がある。
- リターン: 高い取引頻度で利益を確保できる可能性があるため、リターンは潜在的に高い。
- 初心者おすすめ度: スキャルピングは高速でストレスがかかり、初心者には難しい。したがって、初心者向けとは言い難い。
- 取引回数: スキャルピングは非常に高頻度の取引が行われるため、取引回数は高い。
- スワップ: スキャルピングは通常、取引ポジションを長く保有しないため、スワップの影響は比較的低い。
- スプレッド: スプレッドが取引に大きな影響を及ぼす可能性があり、スプレッドの影響は高い。
グリッドEA
- リスク: グリッドEAはレンジ相場で有効であり、トレンド相場で大きな損失を招く可能性がある。したがって、リスクは高い。
- リターン: レンジ相場で利益を確保する可能性があるため、リターンは一般的には中程度。
- 初心者おすすめ度: グリッドEAは複雑な戦略を必要とし、初心者には難しい。初心者向けとは言い難い。
- 取引回数: グリッドEAの取引回数は一般的には中程度。
- スワップ: スワップの影響は通常中程度。
- スプレッド: スプレッドの影響はレンジ相場では比較的低い。
ナンピンマーチンEA
- リスク: ナンピンマーチンEAは損失ポジションを増やして平均値を下げる戦略で、大きなトレンドに対してリスクが高い。
- リターン: マーケットが反転すれば損失を回収する可能性があるため、リターンは中程度。
- 初心者おすすめ度: ナンピンマーチンEAはリスクが高く、慎重な管理が必要なため、初心者向けとは言い難い。
- 取引回数: ナンピンマーチンEAの取引回数は中程度。
- スワップ: スワップの影響は通常中程度。
- スプレッド: スプレッドの影響は通常中程度。
デイトレードEA
- リスク: デイトレードは1日の取引を対象とし、長期の市場変動から守られる可能性が高いため、リスクは比較的低い。
- リターン: 長期の市場変動を利用するため、リターンは中程度から高い。
- 初心者おすすめ度: リスクが比較的低く、初心者向けと言える。
- 取引回数: デイトレードは1日に数回の取引を行うため、取引回数は中程度。
- スワップ: スワップの影響は通常中程度。
- スプレッド: スプレッドの影響は中程度。
スイングEA
- リスク: スイングEAは中長期のトレンドを利用するため、リスクは通常中程度。
- リターン: トレンドに乗る機会を提供するため、リターンは中程度。
- 初心者おすすめ度: リスクが比較的低く、初心者向けと言える。
- 取引回数: スイングEAはトレンドの途中での取引が多いため、取引回数は中程度。
- スワップ: スワップの影響は非常に高い。
- スプレッド: スプレッドの影響は中程度。
ヘッジEA
- リスク: ヘッジEAはポジションを対立させ、リスクを分散するため、リスクは中程度から高い。
- リターン: 一部のポジションが損失を補う可能性があるため、リターンは中程度。
- 初心者おすすめ度: リスク管理が難しいため、初心者向けとは言い難い。
- 取引回数: ヘッジEAの取引回数は中程度。
- スワップ: スワップの影響は通常中程度。
- スプレッド: スプレッドの影響は通常中程度。
これらの評価項目を考慮して、特定のトレード戦略に最適なEAを選択することが重要です。初心者の方は特に、リスク管理とデモトレードを通じて戦略を評価することをお勧めします。
EAの選び方
トレード結果をチェックしよう
バックテストの結果をくわしく調べて、EAが実際の相場でどのような挙動をするのかを把握しよう
バックテストの結果は実際の結果と異なることがあるので、フォワードの成績と一緒に見ることが大切!
リアルタイムのトレードデータが手に入るなら、それを分析してEAのトレードの正確さや収益性を確かめよう!
フォワードテスト結果はEAの実力を確かめるために欠かせないものだよ!(^^)!
覚えておきたいバックテストの見方!
①Profit factor(プロフィットファクター)
プロフィットファクター(PF)は、トレードの利益を損失で割った比率で、資金効率を評価する指標です。PFが1.0以上であれば、総合的に利益が出ていることを示します。ただし、PFが極端に高い場合、カーブフィッティングによる過剰最適化の可能性があるため注意が必要です。通常、1.5~2.0程度の範囲が妥当とされます。
②Total trades(総トレード数)
総トレード数は、EAのトレード回数の総計を示します。トレード数が多いほど、大数の法則によって統計的な精度が高まります。また、総トレード数が多いほど複利効果を享受しやすく、資金効率が向上する可能性があります。
③Maximal drawdown(最大ドローダウン)
最大ドローダウンは、トレード中に資金が最も減少した割合を示します。低い最大ドローダウンが望ましいです。通常、30%以下に制御することが推奨されます。
最大ドローダウンは、適切な元本の設定やリスク管理の判断に使用されます。通常、最大ドローダウンの3倍程度の元本を確保することが一般的な目安です。
④Total net profit(純益)
純益は、トレードの総利益を示します。高い純益が理想ですが、元本に対する割合も考慮する必要があります。
総損益の評価には、利益だけでなく元本に対する割合も含めて考慮する必要があります。相対的な利益率を評価するための重要な指標です。
⑤Risk reward(損益レシオ)
損益レシオ(リスクリワードレシオ)は、トレードのリスクとリターンのバランスを評価する指標です。1つのトレードで得られる平均利益を、そのトレードで発生する平均損失で割った比率を示します。
損益レシオの計算方法:
損益レシオ = 1トレード当たり平均利益 / 1トレード当たり平均損失
損益レシオの意味:
損益レシオが高いほど、トレードで得られる平均利益がリスク(損失)に対して大きいことを示します。例えば、損益レシオが2.0の場合、1ドルのリスクに対して2ドルの利益を期待できることを意味します。
損益レシオが1.0未満の場合、平均的には損失が利益を上回るため、トレード戦略の持続可能性について注意が必要です。
損益レシオの評価:
損益レシオの高さは、トレード戦略のリスク管理とリターンのバランスを示す重要な指標です。一般的に、高い損益レシオを持つトレード戦略は、長期的に安定して利益を積み上げる可能性が高いとされます。
しかし、損益レシオだけで判断するのは限られた視点であり、勝率との組み合わせで評価することが重要です。なぜなら、勝率が低い場合に損益レシオだけを見てしまうと、大きな損失を被るリスクが高まる可能性があるからです。
勝率との関係:
損益レシオと勝率は相関関係にあります。通常、勝率が高いほど損益レシオは低くなり、逆に勝率が低いほど損益レシオは高くなります。これは、高い勝率を維持するためには小さなリターンしか取れないことがあるためです。逆に、高い損益レシオを持つ戦略は、大きなリターンを追求するためには勝率が低くなることがあるからです。
損益レシオと勝率をバランスよく考慮することで、トレード戦略の資金効率とリスク管理の側面をより総合的に評価できます。
運用するEAを選ぶ時は、実際の運用結果を示したフォワードテストのデータを確認することをおすすめします。以下の点に注目して判断しましょう。
・利益が安定して出ているか
・最大ドローダウン(最大損失)はどの程度か
・取引ペアや時間足は自分の取引スタイルに合っているか
「シストレ.COM]や「Gogojungle」などのFX EA販売サイトでは、こうしたデータが公開されているので選びやすいでしょう。
使い方のコツ
ナンピンマーチンEAを使う時のコツを紹介します。
FX自動売買はその仕様上「ファンダメンタルズ」にはめっぽう弱いので、米国雇用統計など重要指標で相場が大きく動く前後はEAを止める必要があります。
- ・資金管理ルールを必ず守ること
- ・重要な経済指標停止タイミングはきちんと止める
- ・実際の小口運用から始める
EAの稼働時間停止設定やニュースフィルターが採用されているEAなら管理もしやすい!
不慣れなうちは小さなロットでの運用から開始し、資金管理ルールを守ることが大切です。こまめにEAの状況をモニタリングする習慣も必要不可欠でしょう。
ナンピンマーチンEAをポートフォリオに加えるなら、資金管理の重要性を理解しよう!
- リスク管理の徹底:ナンピンマーチンEAは、価格が逆方向に動く場合に取引を増やす戦略です。そのため、適切なリスク管理と資金管理が不可欠です。ポートフォリオ内での位置づけを慎重に考え、適切な証拠金を確保しましょう。また、一度の大きな損失を避けるために、ナンピンの上限を設定することも重要です。
- マーケット条件の理解:ナンピンマーチンEAは一般的にトレンドが逆転する場面で利用されます。市場が急変すると、多くのナンピン注文が発生する可能性があります。ポートフォリオ内でこの戦略を採用する場合、トレンドフォロー戦略と組み合わせて、トレンド転換時のリスクを軽減することが重要です。
- 定期的な出金:ナンピンマーチンEAは損失が積み重なる可能性があるため、定期的な利益の出金を考慮しましょう。出金を通じて元本を保護し、収益を確保します。
- 経済指標:ナンピンマーチンEAは市場の動向に敏感です。したがって、重要な経済指標の発表前にはポジションを調整することが重要です。
FXナンピンマーチンEAについての結論とまとめ
ナンピンマーチン戦略は、外国為替市場(FX)などで使用される投資やトレード戦略の一つで、ナンピン(averaging down)とマーチンゲール(Martingale)という2つの要素を組み合わせたものです。この戦略は損失を取り戻すために取引サイズを増やすことに焦点を当てていますが、リスクを制御する必要があります。
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ナンピンは価格が逆行する場合に新たな取引を追加して平均取引価格を下げる手法であり、マーチンゲールは損失を取り戻すために前回の損失額をカバーするために取引サイズを倍増させる戦略です。
ナンピンマーチン戦略のメリットとして、毎日の収支がプラスであること、損失の回復が可能であること、EAが自動売買を行って手間を削減できることが挙げられます。一方、デメリットとしてはリスクの増加、マーケットの急激な変動に対する脆弱性、最適な設定の難しさがあります。
ナンピンマーチンEAを選ぶ際には、バックテスト結果やフォワードテスト結果を詳細に調査し、リアルタイムのトレードデータを分析してトレードの正確さや収益性を確認することが重要です。また、リスク管理の徹底、マーケット条件の理解、定期的な利益の出金、経済指標への注意が必要です。ナンピンマーチン戦略は慎重に利用し、適切なリスク管理を実践することが成功の鍵となります。